1.現存する世界の歴史ある大学について
簡単に世界中で現存する古い大学をさっとおさらいしてみますと、現存する世界最古の大学は、1088年創立のイタリア・ボローニャ大学で医学・法学から始まり、ガリレオ・ガリレイなどを輩出する天文学なども少し遅れて生まれてきます。
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ボローニャ大学における1350年代の講義風景を描いた写本挿絵 画像引用:Wikipedia |
英語圏最古の大学は、1096年創立のイギリス・オックスフォード大学です。(ケンブリッジ大学は、1209年にオックスフォード大学から論争の末分離した)
フランス語圏最古(ラテン系)では、1211年ソルボンヌ大学です。 (現在は、パリ大学となっており、発祥の哲学部・文芸学部のある所を元々ソルボンヌと言っていたことによる)
ドイツ語圏では、1365年のオーストリア・ウイーン大学で医学部・法学部・薬学部から始まった。(ドイツ国内では、ハイデルベルグ大が1386年から)
アメリカ合衆国最古は、1636年資金を提供したジョン・ハーバードの名前を冠して創設されたハーバード大学です。 (全米2位は1701年のイエール大学、3位は1740年ペンシルベニアア大学)
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アメリカ ハーバード大学 画像引用:Wikipedia |
ヨーロッパの大学は、神学から始まったと言う印象を受けますが、実際には、陸続きであるヨーロッパ社会において、天然痘やペスト・コレラ等の伝染病が蔓延し、何としてもそれを抑えこむ必要から医学・薬学の必要性が高まり、高等教育・研究機関の必要性が求められたことによります。
また大航海時代を経て、貿易や商工業が盛んになり中世各主要都市や自治都市間(ハンザ同盟等)による商工業上の契約や取り決めが重要となり法律学の研究が発展して来ます。それぞれの時代の社会的ニーズに基づいています。
※ キリスト教を中心とする神学については、グレゴリオ神学大学やヨーロッパ各地に修道院がありました。
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