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2.日本最古の大学について

日本に於ける大学の起源は、七世紀の天智天皇の時代であると言われており、制度的に確立するのは、701年の大宝律令であると言われています。 (広報誌「龍谷」第16号千葉乘隆学長より)

大宝律令による大学は、中央政府の官吏養成機関として設けられ、学生は五位以上の貴族の子弟とされていました。
貴族出身者以外にも通える「大学」あるいは「学校」と呼べる様なものが出来てくるのは、二度に亘って遣唐使として派遣され、東大寺大仏殿造営長官でもあった吉備真備(きびのまきび)(695~775)が右大臣になった時、平城京の私邸に作った『
二教院(にきょういん)』が最初ではないかと言われています。 (二教というのは、仏教と儒教を教えると言う意味から命名)

同じ時代にもう一人、大納言石上宅嗣(いそのかみのやかつぐ)(729~781)が自邸に作った学校『
芸亭院(うんていいん)』が在ります。ここは一般の人にも本の貸出しをしていたという記録があり、これは日本最古の図書館であると言われています。(藝という字とは別もの)
京都では、かつては小学校の先生までが弘法大師空海が作った「種智院大学」が日本で一番古い大学と教えていた時期がありました。(一時期、京都新聞や出版の淡交社などもそう表現していた時期があります)

○ ここで明確にしておく必要があると思いますのであえてこのことに触れておきます。
空海が嵯峨天皇から初の東寺長者(初代管長)に任ぜられ828年(天長5年)12月に東寺の東に『
綜藝種智院(しゅげいしゅちいん)』と言う学校を作ります。

これは、貴族以外の人々にも学問をという意図で作られたのですが、空海が没する迄の7年間は、確かに在ったと記録にあります。しかし、次の東寺長者を引き継いだ「實惠(じちえ)」は、空海没後10年で財政難と学生不足から全てを売却し学校は 845年(承和12年)に廃校とします。

實惠は、この売却したお金(一千四百貫文)で丹波国多紀郡大山の庄(現在の篠山市)に土地(四十四町百四十歩)を購入し(約13万3千坪)、荘園として東寺の本業回帰(伝法会の料に充てる)として使用します。 (出典は『東寶記(とうぼうき) 卷第六 (国宝)』 写本は京大資料館に有り)

しかし今でも「綜藝種智院」の場所が正確には、どこにあったのか判明していません。
つまり合計17年間は確かにありました。その後1949年(昭和24年)の新制大学令で東寺が真言宗の大学を作るという時にゆかりがあると言う事で名称を「種智院大学」とされました。
1,100年前の「綜藝種智院」とは別のものと考えるべきであると思います。
参考にその他にも次のような学校があります。

足利学校(1532~1872)室町幕府の学問所として足利家出身の地である関東管領地内に作った学校で明治の初めに廃校となる。340年間続くが現在は観光施設。

昌平黌(しょうへいこう) (1690~1870)江戸幕府が作った学問所で180年間続くが、幕府の崩壊と共に廃校となる。

結論として、龍谷大学は、1639年(寛永16年)に本願寺学問所「
學寮」として始まりその後、名称を「學林」「大教校」「大學林」「仏教大學」「龍谷大学」と改革と変遷を重ね、連綿と途切れる事無く継続され、全ての記録が残っている現存最古の大学であります。 龍谷大学は、本年(2014年5月)創立375年を迎えます。
   
  大宮キャンパス本館 (重要文化財)

連綿と続いた記録として1638年から始まる『學寮造立之事(がくりょうぞうりゅうのこと)1卷』 『學林之由來(がくりんのゆらい)1卷』『學林条約2卷』『學林諸記録1卷』『学黌萬撿雜牘(がくこうばんけんざっとく)3卷』『學林萬撿(がくりんばんけん)24卷』『林門造榮萬撿(りんもんぞうえいばんけん)1卷』(大宮図書館蔵)が明治期以前の記録だけでも計33卷に残っています。

<学林の規模>
その記録の中に1639年には60名が入る教室と30室の寄宿舎、1748年~1763年には490名の学生、1764年~1771年には804名の学生、1781年~1800年には1,048名の学生が寄宿していた記録がある。これは、江戸時代初期から學林町全体が学林であったという証しです。今も「京都市下京区学林町」として地名に残っています。(郵便番号は、〒600-8341) 「学林町」にあったから学林と言ったのではなく学林が一町四方を占めていたから町名になったのです。

※ 東京の「立正大学」や「駒澤大学」と決定的に違う所は、まさにここにあります。

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